「厳しい初日~4日目」
昨年の秋に人生二度目となった海外遠征でアラスカに行ってきました。今回の対象魚はシルバーサーモンをメインにレッドサーモン(紅鮭)・ドリーバーデン・スチールヘッド(レインボートラウトの降海型)・そして日本でもお馴染みのレインボートラウト・ピンクサーモン(カラフトマス)です。
アラスカ・アンカレッジまでは直行便が出ていないので、シアトルを経由するか台北を経由する方法があります。僕達は台北(台湾)で乗り継ぐ方法でアラスカへ入りました。釣りが出来るのは7日間だったのだが、今回は釣行5日目をメモリアル風に振り返りながら紹介していきたいと思います。
今釣行は総勢12名でしたが、4日目までにキャッチしたシルバーサーモンの数は全員で6匹。アートフィッシングの小田さん曰く「例年ではこんな事はなく1日釣れば1人で2,3匹、多い人なら5、6匹はシルバーサーモンが釣れるはずだよ」と言っていました。現地の人に聞いても過去50年間でこの時期にこれだけ魚が溯上しないことはなかったと言うほど。思い返せばアンカレッジに着いて初めて空港建物から外に出た時に予想よりも肌寒く感じた僕に何度もアラスカに来た事のある参加者の方たちは「いや、いや、いつもはもっと寒いよ。」と言っていた。温暖化による異常気象が少なからずシルバーサーモンの溯上を遅らせているのでしょうか。ある意味すごい年に釣行に来たのかもしれません。
僕は3日目のキーナイリバー(中流)のボートフィッシングで婚姻色の出たシルバーサーモンをキャッチする事が出来たものの岸からはまだ釣る事が出来ていない状況。残り時間も少なくなり、少しづつ気持ちが焦り始めてきました。先に書きましたが釣りが出来るのは7日間。正確には最終日の昼頃までしか出来ないので釣りが丸1日出来るのは実質残り2日(1日は川下り)。
「出るか!?シルバーサーモン」
5日目の舞台となるのはディープクリークリバー。この川は初日、2日目とチャレンジしたのですが、数匹のピンクサーモンが釣れただけでシルバーサーモンの姿は見る事が出来ませんでした。写真がないので説明し難いのですが初日に入川した場所はディープクリークに架かる最下流の橋。その橋より下流へ釣り下がり河口までのポイントしか狙わなかったのでこの日は橋よりも上流に行ってみる事にしました。例年なら橋の上から川を見ても数十匹のシルバーサーモンの群れが確認出来ると小田さんが言っていました。しかし、今年は1匹も目視できません。ディープクリークの川幅はおおよそ7メートルで水深は1メートルくらい。初めてディープクリークを見て感じたのは正直な気持ち、シルバーサーモンが溯上するとは思えませんでした。自分がイメージしているよりはるかに小規模な河川だったのです。簡単に言ってしまうと北海道(道東)のアメマス釣行に行く川にとてもよく似ています。それでも例年の実績は高い!ロッドを繋ぎ、ミノーをセットし、早速遡行開始。入川して直ぐに同行の伊藤さんのミノーにチェイス!魚種の確認までは出来なかったのですがグッドサイズが追ってきたらしい。30分も釣り上がるとシルバーサーモンがついていそうな良い雰囲気の瀬と深みがありました。早速、先行していた伊藤さんがそのポイントにキャストすると1投目でヒット!グッドサイズだ!寄せてくると綺麗なシルバーサーモン。メジャーを当ててみると70cmオーバーの見事な魚体でした。写真を撮り、素早くリリースする。僕も伊藤さんがヒットしたポイントにキャストするもルアーを追ってくるシルバーとの距離が遠くバイトには至りません。このポイントは見切りをつけてさらに釣り上がって行く事にしました。20分くらい釣り上がってみましたが魚影を確認する事も出来なかったし、単独行動はとても危険だと言われていたので戻る事にしました。
「熊の怖さ」
なぜ危ないか?それはアラスカが言わずと知れた熊の巣だからです。現に最終日キーナイ川(中流)で釣りをしていると僕たちの50m程上流に音もなく突然、熊が出没し、こっちに来るんじゃないかとヒヤヒヤさせられました。釣りをしている場所から車までは20分ほど。車に戻るまでは大声を発しながら戻る人もいれば全く気にしていない人もいました。ただ、今釣行で一番の団体行動が取れたと思うくらい密集して歩く全員でした。無事車に戻り、ウェーダーを脱ぎ始めたころ、先ほどの熊が今度は車の前方5mのところに出没!急いで車に飛び乗り熊の様子を窺う。しばらく観察していると熊は静かに自分の森に戻って行きました。きっと静かに僕たちの後ろを付いて来ていたのだと思います。今回の熊はまだ小熊だったから良かったものの、もしも成熟した熊だったら・・・・・・と考えるとぞっとします。こういう事があるので単独行動はいけないのです。
「バラシ連発・・・・・・」
下って行くと今度は父が何やらカメラを構え写真を撮っている。近づいて行くと今までに見たことのない綺麗でシャープな魚。その魚は今回の釣行の目的でもあったスチールヘッドでした。レインボーの様なボディーに赤いラインはなく薄っすらとピンクのラインが入っていて殆ど銀ピカ。サイズは70cm程でスチールヘッドとしては小さいサイズでしたが僕が想像していたより遥かに綺麗でした。父がスチールヘッドを釣ったのも伊藤さんが釣ったポイントと一緒だと言う。そのポイントには群れでいるようだと言われたのでもう一度トライしてみる事にしました。他のポイントに比べ少し水深があったのでディープ系のミノーに交換し少しアップクロスにキャストしてゆっくりリトリーブしながらミノーをドリフトさせていく。ミノーが自分より下流に行きU字を描きミノーがボトムまで潜り込み、そこからゆっくりリトリーブさせていくという釣り方です。簡単に言うとU字効果ボトム版です。2、3投した辺りでロッドに重いテンションが掛かる。『キタッ!』と思ったのも束の間ですぐにフックアクト。痛恨のバラシ。がっかりしながらも再びキャスト。すると、またまたヒット!しかし魚がジャンプしてラインブレイク!またしても“バラシ”てしまいました。この後もさらに2回“バラシ”を追加してしまい、魚の食い気も無くなってきたので少しポイントを休ませる事にしました。別のポイントをやっていると、さっきルアーごと持っていかれたシルバーサーモンが自分を挑発するかのように口にルアーを引っ掛けて何度も何度もライズしています。
「ついにキャッチ!!悲願のシルバーサーモン」
残り30分となったところでもう一度先程のポイントへ。1投1投慎重にキャストしていく。すると6投目のルアーがU字を描いたとこで再びロッドにテンションがかかる。魚がどんどん下流に走ってしまうが焦る気持ちを抑えてゆっくり、そして慌てず寄せて来る。今思うとあんなに興奮気味でドキドキしたやり取りは久々でした。魚は無事にランディング。70cmオーバーのシルバーサーモンでした。写真を撮り、素早く魚をリリースしたところで丁度集合時間となりました。下流の釣果を聞いてみるとメーターに迫るスチールヘッドが出たとのこと。残念ながらラインブレイクだったが、その迫力は凄かったようです。そのほかはピンクサーモンがポツポツ釣れたくらいだったそうです。この日は上流に行って正解だったのかもしれません。結局6打数1安打で6日目の釣りはこれで終了。この日は物凄い数の魚をばらしてしまいました。
最終日は先に記した通りキーナイ川(中流)に行ったのですが小田さんが婚姻色の出たシルバーサーモンを釣っただけで他の人たちはレッドサーモンを数匹ずつ釣る程度で終了しました。この辺りはレッドの溯上が物凄く多いということで地元アングラーの間では知られており、例年なら川が真っ赤になるらしいのですが今釣行では流れの中に赤い模様がポツポツあるような感じ。それでも僕には十分多いと感じられましたが・・・・・・。
これでアラスカでの釣りは全て終了となりました。ロッジに戻りシャワーを浴びさせていただき、ロッジのオーナーと参加者全員で記念撮影をして空港に向かいました。何事も無く台北に向かう事が出来ると思っていたのですが、台北に台風が接近しているという事で出発が大幅に遅れました。空港のベンチで10時間近くも横になったのは生まれて初めてでした。結局、午前2時出発予定だったのが午前10時出発となってしまいましたが無事台北に到着し、台北から日本にも帰ることが出来ました。最後に別れの握手を参加者の皆さん全員と交わしアラスカ釣行の全日程が終了しました。釣果としてはあまり良くないと小田さんが言っていましたので「例年を100点とするなら今年の点数はどれくらいですか」と聞くと「20点かな」と返答がきました。20点と聞いても僕的にはとても満足出来た遠征でした。
もしこんな素晴らしいチャンスが再度あるのなら絶対もう一度行きたいと図々しく思ったりしています。












